新進気鋭の若きオーナーが挑む、新宿の喧騒の中にたたずむ隠れ家UONOSU~魚ノ巣~

こんにちは。トシン部編集部の村上です。
世界でも有数のターミナル駅であり、多くの人で賑わう街、新宿。その東側に広がる新宿三丁目エリアは映画館などの娯楽施設や多くの飲食店が集まり繁華街を形成しているエリアです。今日はその一角の雑居ビルにひっそりたたずむ、大人の隠れ家UONOSU~魚ノ巣~さんに足を運びました。

雑居ビルの3FにあるUONOSU~魚ノ巣~さんへ、いざ入店!
まずはじめに驚いたのが、「ここ、新宿だよね?」と疑いたくなるほどの静かな店内です。
店内に入ると右手にはカウンター左手にはテーブル席があります。テーブル席はそれぞれブラインドを下ろせるため、半個室状態のプライベートスペースを演出してくれます。
カウンターには各都道府県の地酒がずらっと並び、ガラス越しに職人さんが自家製そばを手打ちする様子が見られます。

はじめまして。トシン部の村上と申します。よろしくお願いいたします!
代表取締役の橘内(きつない)です。本日はよろしくお願いいたします。

新宿に居ごこちの良い店を
ずいぶんとお若く見えますが、こんな立派な飲食店を構えてらっしゃって凄いですね。ちなみに、飲食店を始めたのはいつ頃からですか?
大学を卒業してすぐに飲食業界に飛び込み、そこで店舗運営のイロハを学びました。年齢を理由に行動を制限したくないという思いがあって、2015年に独立をしました。
なぜ新宿でお店を出されたのですか?
近くで姉妹店のバーLad’s Diningを経営してるんですけど、人材の共有ができるメリットなどからドミナント戦略を狙い新宿を選んだことが理由です。
それと、新宿ってお店の数は非常に多いのですが、居ごこちが良いと思える店はとても少ないなと以前から感じていたんですよ。新宿は地方から上京してきた人が多いので、そういった人たちが安心できるような、人のぬくもりを感じることができる暖かい空間造りを目指しています。”新宿にはUONOSU~魚ノ巣~がある”と思っていただきたいんです。
上京した筆者にとって、都会の寂しさのお話はとても共感できました。そんな人たちにとってUONOSU~魚ノ巣~に行けば暖かく迎えてもらえる、まるで、新宿にもう一つの実家があるかのようです。もっと早くこの店を知りたかった・・・なんて思いつつ、お話は続きます。
UONOSU~魚ノ巣~のこだわり
なるほど。では、UONOSU~魚ノ巣~を開業するにあたって、特にこだわった点を教えていただけますか?
新宿にはたくさんの飲食店があるので、味や価格だけで勝負をしてはいけないと思いました。料理が美味しいのは当たり前で、その上でなにかプラスアルファを提供することを真剣に考えたんです。やはり、来店されるお客様に期待以上の何かを体験して欲しいですし、そこにちょっとした感動とか心が動くことがあると喜んでいただけるのではないか。なので、接客面はもちろん、ちょっとした仕掛けになるようなソフト面に力を入れています。
ソフト面ですか。具体的にはどういったことですか?
たとえば、ドリンクメニューでは日本酒メニューの専用サイトをQRコードから簡単に読み込めるようにしています。QRコードから専用サイトへアクセスすると、その時の気分やお財布事情などから最適な日本酒を提案してくれる仕組みになっているんです。
QRコードから読み込める専用サイトを導入したことで、誰であってもお客様一人ひとりに適した日本酒を提供することが可能になりました。また、各都道府県の日本酒を扱っていますので、お酒にあまり詳しくない方でも楽しくお酒選びをしていただくことができます。
サイトがソムリエのように提案してくれるんですね。
はい。例えば、どうしても新人スタッフは日本酒の知識が少ないんですよ。それだとお客様へのサービス品質にバラツキが出てしまいます。たとえ新人スタッフであってもお客様に正しい情報を提供できないかと考えたときに、楽しみながら知ってもらうこの方法を思いついたんです。
また、お食事後の帰り道に「ああ。今日のお酒はおいしかったな。今度は違うものを飲んでみようかな。」と、お酒の知識を復習することにもお使いいただけますし、デート前の予習で活用して、気になる人にうんちくを語ることにも役立ちます(笑)
なるほど。その時のお財布事情や気分から提案してもらえる、エンタメ的な要素も盛り込んでいるのですね。このように、他店とは違ったちょっとした楽しみや驚きを随所に散りばめられているので、なんだか楽しい気分になります。

サイトでは、6種類のシチュエーションや目的のテーマから、その時に適した日本酒を提案してくれます。
確かにたくさんの種類の日本酒を置いてらっしゃいますね。
はい。各都道府県の日本酒を全部揃えているお店は、なかなか見かけないと思います。UONOSU~魚ノ巣~では、かなりの種類の日本酒を置いているんですが、実は量にもこだわっているんです。一般的にお酒を1合で提供するお店が多いと思いますが、当店ではたくさんの種類を楽しんでいただきたいので、基本的に60mlを300円と安価で提供してます。このお酒はこの料理に合うなとか、日本酒にもそれぞれ個性があるので、色々な種類を楽しんでいただきたいんです。
おちょことスマホを手に、お酒の知識をつまみに酒を楽しむ。なんだか、令和時代の新しいお酒の楽しみ方ですよね。落ち着いた穏やかな空間で、リラックスしてゆっくりとお酒と料理を楽しめる、1人で来ても格別の時間を過ごせる空間だと感じました。

そうそう。村上さん、GARGERY(ガージェリー)という国産ビールをご存知ですか?
いえ、ちょっと聞いたことがありません。どんなビールなんですか?
ガージェリーは、飲食店でしか販売していない、生産量が非常に少ない国産のプレミアムビールです。他の国産ビールよりも長時間かけて低温熟成された味わい深いビールなんです。注文をしてから樽詰めし翌日に届くので、最高の状態のフレッシュなビールをお楽しみいただけます。
また、当店では、一般的なグラスではなくガージェリービール専用の脚が無いスタイリッシュなビアグラスで提供しています。

なかなか見かけない独特な形で、思わず写真を撮りたくなりますね(笑)
はい、インスタ映えを狙いました(笑)
例えビール1杯であっても美味しいだけではなく、このようにちょっとしたこだわりを提供することで、何か会話が生まれたりして欲しいんです。こういうちょっとしたことがプラスアルファの価値につながればと思っています。
一般的なグラスと形状が異なり、とってもお洒落なグラスです。普段ビールを飲まない方でもちょっと頼んでみたくなるようなポジティブな印象を受けました。実際にGARGERY(ガージェリー)をいただきましたが、深みのある味わいなのにさっぱりとした口当たりで、フルーティーな香りが漂う上品なビールでした。女性に人気があることもうなずけます。

UONOSU~魚ノ巣~のおすすめ料理
続いて、おすすめの料理について教えていただけますか?
手打ちの十割蕎麦が人気です。蕎麦職人が毎日手打ちして提供しています。蕎麦と言うと締めに食べるイメージが強いかもしれませんが、お酒を飲む前に蕎麦の本当のおいしさを味わっていただきたいので、お腹がいっぱいにならない程度の適量で提供しています。


また、魚は愛媛県の松山漁港から毎日空輸で届けてもらっています。現地のプロが目で見て判断したものに勝るものは無いと思い、仲買さんを信頼し、その日獲れた魚で一番良いものを送ってもらっています。

あとは、真っ黒の出汁巻き卵とか(笑)
真っ黒・・・ですか?
はい。食用の竹炭を使用した漆黒の出汁巻き卵というメニューをご用意しています。みなさんネタだと思われるのですが、これ、凄く美味しいんですよ(笑)。見た目のインパクトと食べたあとの美味しさのギャップに皆さん驚かれています。

想像以上のインパクトの漆黒の出汁巻き卵。美味しいと評判で、レビューサイトでも絶賛されている様子が伺えます。これは、ものすごく気になりますね。目にしたら誰でも注文せずにはいられないのではないでしょうか。
こうした料理は橘内さんが考案されるのですか?
いえ、料理長を信頼し、彼に一任しています。自分は料理人ではありませんから。ただ、漆黒の出汁巻き卵のような一風変わった驚きがあるアイデア作りには私も参加しています。
また、驚きを提供するメニューで人気なものに、十割そばをパルメザンチーズと和えた”オリーブチーズ蕎麦”というものががあります。
蕎麦にチーズですか!?珍しい組み合わせですね。全く味を想像できません(笑)
十割そばに大量のパルメザンチーズを振りかけているので、まず見た目のインパクトが凄いです(笑)。店内手打ちの新鮮な風味の十割蕎麦とパルメザンチーズのコクが相まって、これがなかなかクセになる味わいなんです。このチーズのそばを目当てに来店されるお客様がいらっしゃるくらい、人気のメニューなんですよ。見た目の驚きとおいしさの感動と二度楽しんでいただいています。

まとめ
和食とイタリアンのマリアージュ。想像することが難しいのですが、言われてみるとなかなか合いそうに感じてきます。そして、何よりも食べてみたい衝動に駆り立てられますね。
UONOSU~魚ノ巣~さんの数々の素晴らしいメニューと居ごこちの良さに感銘を受けた筆者は、次回プライベートで訪れることを約束して取材を終えました。
お忙しいところ、取材に応じていただきありがとうございました。
雑居ビルの外観からは想像がつかないオシャレな空間で静かに酒と料理を楽しむ。まさに、大人の隠れ家という言葉がぴったりのお店でした。

ご自身が考える「こんな居ごこちの良い店があったらいいな」を体現したという”UONOSU~魚ノ巣~”。独立以前から飲食業界で培ってきた経験と若い発想力で、ここ新宿に新しい風を吹き込んでいます。
UONOSU~魚ノ巣~
〒160-0022 東京都新宿区新宿3-35-13 裕永ビル 3F
公式サイト:https://uonosu-shinjuku.com/
執筆 / 写真 村上 弘樹